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見直しのコツ

医療保険の先進医療保障(特約)に入ったほうが良いのでしょうか?

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医療保険に加入する際

「先進医療の保障を付けたほうが安心ですよ」

「先進医療は10割負担なので、医療保険でカバーすべきなんです」

といったセールストークを受けた方も多いのではないでしょうか。

しかし、本当に先進医療の保障は必要なのでしょうか?

今回は先進医療の保障についてズバリ解説します。

 

そもそも先進医療ってどんな医療をいうの?

皆さんの先進医療のイメージってどんな感じでしょうか?

「最先端の医療技術で、すごい有効だけど、すごい高額な治療」

だいたいこんなイメージではないでしょうか。

実は、医療保険でいう「先進医療」と皆さんのイメージは少し違います。

加入するか考えるために、まずは、正しく「先進医療」の意味を理解しましましょう。

国の正式な説明では

厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、
保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、
適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養

と定義されています。

言っていることが難しいので、簡単に言うと、

国としては”たぶん”有効と考えるけれども、もう少し多くの患者を治療して、本当に安全なのか、本当に有効なのか、確認させてください

という治療です。

ですから「開発されたばかりで安全性も有効性も未知数な治療」は先進医療の対象にはなりません。

あくまで、国として一定の有効性と安全性を確認した治療のうち、健康保険の対象として相応しい治療なのか、さらに確認をしたい治療に限られているということです。

もちろん、患者の希望があるとはいえ、国としても、有効性や安全性に疑問がある治療を保険診療の候補とするわけにはいかないということでしょう。

そのため先進医療に指定されている治療はかなり限定されており、その種類は、現在92種類しかありません。(詳しくは、厚生労働省HP「先進医療の概要について」

ですから、例えば、インターネットで「保険未承認の最先端の治療」を実施している医療機関を見つけたとしても、厚生労働省が先進医療として認めていなければ、医療保険の「先進医療の保障」の対象とはならないということです。

 

実は、安い先進医療もたくさんあります!

先進医療は高額だから医療保険で準備しなければならないと思っていませんか?

実は、そうでもないんです。

厚生労働省が発表した「平成30年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」では、直近1年間における先進医療の種類別の患者数・金額が報告書としてまとめられています。

報告書を見ると、先進医療を利用している患者数は、全国で28,539人となっています。

これを多いとみるか少ないとみるかは意見が分かれると思いますが、実は、その84% 、23,859人が、白内障治療のための「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」に集中しています。

さらに、「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」は、先進医療なのですが、医療費はそこまで高額というわけではなく、1件あたり66万円となっています。

実は、先進医療といっても全てが高額になるわけではなく、最も安い先進医療は、1件あたり244円というものも報告されています。

ちなみに、最も高い医療費となった肺がん治療のための「ニボルマブ静脈内投与及びドセタキセル静脈内投与の併用療法」は1件あたり314万円と高額になりましたが、実施件数はわずか3件しかありません。

また、「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」の実施医療機関数は全国で675医療機関がありますが、「ニボルマブ静脈内投与及びドセタキセル静脈内投与の併用療法」は全国でわずか7医療機関のみです。

実は、「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」以外の先進医療の実施機関は、1~数医療機関、多くても20医療機関以下となっています。

あくまで、先進医療は将来的な健康保険の対象となるか評価するのが目的ですので、大病院なら全国どこでも治療をしているのではなく、限られた医療機関で実施されているというのが現状です。

よって、一般の人がイメージする“高度”で“高額”な先進医療を受ける機会はほぼないと言えるでしょう。

 

結果として先進医療の保障に入る必要はありません

保険は発生したときの経済的なダメージの大きさで加入すべきか判断しなければなりません。

実際に300万円を超える医療費がかかっていることを考えれば、先進医療の保障の加入を否定はしません。

しかし、最低限の医療保険という当サイトのコンセプトからは加入する必要はないと判断します。

その理由は、高額の先進医療の対象となる病気になる確率が低いこと、高額になる治療の確率は更に低くなること、実施医療機関が少なくて使いづらいということです。

仮に飛行機を利用しなければならない遠方の医療機関しか実施していないとしたらどうでしょうか?

ちなみに前述の「ニボルマブ静脈内投与及びドセタキセル静脈内投与の併用療法」は大阪、兵庫、岡山、福岡、長崎の5府県の医療機関しか実施していません。

となったとき、入院することはできても、通院での治療が必要な場合、簡単に先進医療を受けると決めることが出来るでしょうか?

先進医療を受けれらるのに「受けない」という選択肢もあると考えます。

結論として、先進医療というのは将来的に保険診療に移行する可能性も高いので、いつかは保険診療の恩恵を受けることができると考えて、今は無理して入る必要はないと判断します。

(ちなみに、先進医療が保険診療の対象になると、先進医療の保障からは給付されなくなります)

 

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