私の考える医療保険とは、医療費のための貯金ができるまでの”つなぎ”です。
私たち子育て世代は何かとお金がかかりますので、医療費の貯金は後回しになってしまいます。
ですから、今すぐ、安く、必要十分な保障を準備できる「掛け捨て」が一番だと思っています。
しかし、掛け捨て型の医療保険はもったいないと思う方が多いと思います。
そんな貯蓄型の医療保険を探している方に「リターン型医療保険」の人気が高まっています。
今回は支払った保険料が戻ってくるリターン型医療保険について徹底的に解説します。
使わなかった分だけ支払った保険料が戻ってくる!
リターン型医療保険とは、加入の際に指定した受け取り年齢(60歳・70歳)に達したときに、それまで支払っていた保険料のうち使わなかった分が戻ってくる保険です。
例えば、加入時の年齢が30歳、受け取り年齢が60歳、月3,000円の保険料であった場合、保険料総額は「3,000円×30年×12ヶ月=108万円」となります。
もし、まったく保険を使わなければ、108万円全額返金され、仮に保険を10万円使ったとしても98万円が戻ってくるというものです。
また、60歳以降については掛け捨てになりますが、引き続き同じ保障・保険料で加入することができます。
高齢になってから保険に加入する場合、保険料は高くなり、健康上の理由で加入できないこともあります。
健康な若いうちに加入すれば、加入時の安い保険料のまま保障が一生涯継続するのもメリットといえるでしょう。
掛け捨ては損だと思っている方には「お、これだ!」と思うかもしれません。
良いことばかりではありません!しっかりデメリットも理解しておきましょう。
しかし、注意したいことが2点かあります。
1点目ですが保険料が掛け捨てより高くなります。
日本で一番初めにリターン型医療保険「メディカルKit R」を発売した東京海上日動あんしん生命で、掛け捨て型とリターン型を比較してみましょう。
条件は 女性30歳、入院給付金日額5,000円 入院給付日数60日 手術給付金2万5,000円または5万円、先進医療特約2,000万円、健康還付給付金受取年齢60歳 払込期間は終身とした場合、
1ヶ月の保険料は、掛け捨て型:1,469円、リターン型:3,089円となり、毎月の保険料は倍以上高くなっています。
なお、リターン型は、健康還付給付金を受け取った後も契約を続ける場合、その後の保険料は掛け捨てとなります。
もちろん、60歳で同じ保証内容の掛け捨て型に入るよりは保険料は安いのですが、掛け捨てなのに、倍の保険料を払い続けなればなりません。
2点目ですが、万一途中解約や死亡した場合、元本割れを起こします。
特に注意しなければならないのは、短期間で解約する場合、まったく還付金が戻らないこともあります。
加入する際は、途中解約をしないこと、そして、無理なく払い続けられる保険料であるか十分検討する必要があるでしょう。
結局、掛け捨てが一番です
冷静に考えてみましょう。
もえる金額は、最大でも5,000×60日=30万円です。
にもかかわらず、60歳まで108万円も払い込まなければ、全額戻ってこないこととなります。
ですから、早く貯金をして、医療保険に入らないことが最良の選択といえるでしょう。
途中解約を前提としますので、当面の間の保障として、掛け捨てが一番ということになります。
以前の記事も書きましたが、公的医療保障でカバーできない部分を含めて、医療保険に入らなくても良い貯金額は100万円です。
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でも、どうしてもリターン型の保険に入りたい方は、デメリットを十分理解したうえで加入してください。
そして、健康還付給付金を受け取った後の保険料は掛け捨てとなるため、その時点で解約しましょう。
健康還付給付金は、その後の医療費と考え、手を付けないように貯金しましょう!