幼稚園児・保育園児をおもちのご家庭であれば、新年度に園児保険の案内をもらいます。
「3月~4月頃、幼稚園・保育園から封筒に入ったパンフレットを渡される保険」といえば、ピンと来る方も多いかもしれません。
園の先生から渡されるし、お友達も入っているので、「うちも入ったほうがいいのかなあ」と悩んでいる方も多いと思います。
でも加入するのはチョット待って!
タイトルで答えは書いてしまった(笑)のですが、今回は、園児保険(園児総合補償)についてずはり解説します。
園児保険(園児総合保障制度)とは何?
園児保険とは、全国私立幼稚園連合会・全国私立保育園連盟の加盟園の園児を対象とした保険商品です。
具体的には、「キッズガード」「ちびっこくらぶ」といった名称で、何種類かの商品が販売されています。
まず掛け金ですが、補償金額の大きさ、補償範囲によって、月300円~月1,000円程度となります。
次に、カバーする補償対象ですが、
(1)傷害補償・・・ケガをして「死亡・入院・通院」したとき
(2)個人賠償責任補償・・・他人にケガをさせたり、他人のモノを壊したとき
(3)育英補償・・・子供の生活をささえている方が事故で死亡したとき(見舞金)
(4)食中毒補償・・・細菌性食中毒(サルモネラ菌など)になったとき
が、基本となります。
これに、プランや保険会社によって、熱中症補償、天災補償、こども捜索補償、病気死亡補償、などが追加されます。
あれっ!病気の保障がない・・・
そうなんです!
ケガの保障はあっても、病気で入院したときの補償がありません。
免疫力がまだ高くない園児が、病気で入院するリスクは決して低くありません。
総合補償といっても、園児のリスク全部をカバーしているわけではないんです。
では、追加で子ども用の医療保険に加入したほうが良いと思うかもしれませんが、その必要もありません。
そもそも小学校入学前の幼児については、公的保障(こども医療助成制度)があるので「病気・ケガ」「入院・通院」にかかわらず、医療費の自己負担はほとんどありません。
ですから、病気の医療費も、先程ご説明したケガの医療費(傷害補償)についても、気にする必要はありません。
また、多くの方の場合、「育英補償」は、ご主人の遺族年金や生命保険(死亡保険)でカバーできるはずなので重複になります。
それから、「個人賠償責任補償」は、火災保険や自動車保険などで特約として加入しているケースが多いです。
保険証券を確認してみて、「個人賠償責任補償」特約が含まれていれば、これも重複になります。
最後に、「食中毒補償」は、外食で食中毒になれば飲食店が補償し、給食で食中毒になれば園が補償しますので、これも気にする必要ありません。
結論として、園児保険は不要ということになります。
こども保険の次は夫婦の保険も見直そう!
お友達のお母さんに「園児保険入りましたか?」と聞いたら「みんな入っているから」という回答が多かったです。
すこし驚いたのは、「団体加入で約●%割安!」というキャッチコピーをみて、「コープのこども共済よりお得!」と全く勘違いしているお母さんがいたことです。
よくよく聞くと、「総合」補償という名称なので、病気のリスクにも対応していると勘違いしていたとのことです。
もちろんこのお母さんには詳しく説明しましたが、もしお子さんが病気で入院して、保険金を請求したら「病気は対象外」といわれたらかなりショックだったと思います。
ということで結論です。
主婦の皆さんは、少しも安くて良い商品をと思って日々買い物をしています。
その時は、消費期限、添加物、原産国など、しっかり中身を見ていると思います。
でも、保険となると「難しそう」といって中身を見ないことが多いですし、幼稚園・保育園で渡されるものなので、当たり前のように加入しているお母さんが多いんです。
保険こそコスパです。
繰り返しになりますが、園児保険に加入する必要はありません。
そして、園児保険に加入しなければ、年間5,000円以上、プランによっては1万円も出費を減らせます。
つまり、少し保険を知るだけで、とても効果的に節約できるということなんです。
こどもの保険の見直しの次は、今度は夫婦の医療保険も見直してみましょう。
いままで保険の見直しを先延ばしにしてきた人ほど、びっくりするくらい保険料が安くなりますよ!